武士道とは他人のために死ぬ覚悟で生きること。というのが青山繁晴さんの教えだ

今日の産経新聞の連載小説アキトカズに命をかけて国民のために働く外務省の役人のことが書かれている。
外務省というととかく国益よりも省の利益で私利私欲にアメリカ派と中国派の外交官がしのぎを削っているお粗末な役所というイメージが強いのだが、こういう国士公務員もいることが心強い。
2015.1.20 05:01
≪アキとカズ 遥かなる祖国≫喜多由浩(243)

 26章 1988年東京・樺太 二

 大韓航空機爆破事件の犯人、金賢姫(キム・ヒョンヒ)をひとりで捕まえたバーレーン大使館員「石山」はまるで厄介払いとでもいうように、さっさと韓国に身柄を引き渡してしまった日本政府の対応に憤りを感じていた。

(せっかくのチャンスだったのに…)

 当時、石山は第三国の情報機関から「ヨーロッパで行方不明になった日本人が北朝鮮へ渡っている」という情報をつかんでいた。これは後になって、北朝鮮による「日本人拉致事件」だったと判明する--。

「こうなったら、オレが北朝鮮に乗り込んで調べてやるっ」。業を煮やした石山は、とんでもないアイデアを考えつく。日本の外交官の身分のまま、東欧の北朝鮮大使館へ駆け込み、政治亡命をしようというのである。もちろん、外務省には内密に、だ。

 石山には勝算があった。日本の外交官の亡命は北朝鮮にとっても格好の宣伝材料になる。北朝鮮は事件への関与を全面的に否定していたが、石山が金賢姫を「拘束」した外交官だとすぐに分かるに違いない。

 北朝鮮の官製メディアはこうブチ上げるだろう。

《大韓機事件の実行犯を拘束した日本の外交官が亡命。「事件は南朝鮮当局の自作自演」と告白…》と。

(まぁ、それは仕方がない。とにかく、入国してしまえば、こっちのものだ)

 方法はいくつかある。

 協力すると見せかけて、金賢姫ら工作員を養成する特殊機関に近づくか。ひそかに潜り込んでいるであろう第三国のスパイと連携するか--。

(あるいは、北の高位高官の中に独裁体制の転覆をもくろんでいる人間がいるかもしれない)

 恐怖感はなかった。守るべき家族も財産もない。

 ひとつだけ、駆け出しのころ、サムライのような先輩に教えられた言葉が石山を突き動かしている。

《国益を、国民を、守るためにオレたちはいる。いつでも死ぬ覚悟で仕事をやれ!》

 休暇をとった石山はひそかに東京から東欧へ飛ぶ。 そして、当地の北朝鮮大使館員と接触。「亡命したい」と持ちかけた。

「--しばらく待て、1週間後にもう一度会おう」

 そして、きっかり1週間後、再会した大使館員は笑顔で「受け入れ」を石山に告げた。

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