選挙制度は変えることができる。国民の声が大きくなれば可能。国会ではできない。住民投票をネットで

産経新聞2015.1.26 11:45
【視線】
選挙制度の抜本解決のために 編集委員・大野敏明

 旧臘(きゅうろう)行われた選挙の結果が出るやいなや、弁

護士らの市民団体が、一票の格差を理由に選挙の無効を求める

裁判を各地の裁判所に起こした。最近は選挙のたびにこの種の

訴えが起こされるが、まことにもっともなことで、最高裁や各

高裁が、違憲、あるいは違憲状態の判決を何回も出しているに

もかかわらず、旧臘の選挙は定数を5減しただけで行われた。

まじめに定数問題に取り組んだとはとてもいえない。

 要するに、日本の国会は何の対応もとれず、自浄能力のなさ

を露呈し続けている。今後も国政選挙のたびに同様のことが起

こり、訴訟が行われ、違憲、違憲状態の判決が出されるのであ

ろう。最終的に最高裁が業を煮やして「違憲・無効」判決を出

すまで、このような状態が続くのかもしれない。しかし、国会

は各党の思惑がぶつかり合うため、制度の見直しができない。

 これは現在の選挙制度に大きな問題があるためだ。現在の選

挙制度は、あらかじめ定数を決めてから、それを配分して選挙

を行う「定数ありき選挙」である。定数を選挙区に割り当てる

ために、一票に格差が生じるのだ。だが、これは選挙区の定数

を有権者数で決めれば簡単に解決する。ここで問題になるのは

小選挙区である。小選挙区は定数が1人だから、定数を有権者

数で決めることが不可能だ。であれば、小選挙区をやめればい

いのである。旧臘の選挙でも、京都のある選挙区では公明党と

共産党しか候補者が立たなかった。東京でも自民党の候補者の

いない選挙区があった。自民党支持者からすれば肩すかしをく

っているわけで、これほど有権者をバカにした制度はない。他

の政党支持者はもっとそう感じるだろう。

 比例代表もしかりである。比例代表は届け出がなされた政党

に投票する。「支持政党なし」が有権者の半数近くを占めるの

に、政党名を書かせるというのは、ブラックジョークである。

 選挙区は都道府県かブロックごととし、最も有権者の少ない

県かブロックの有権者の数を基準にして定員を決めれば、一票

の格差が2倍を超えることはない。当然、選挙のたびごとに定

員・定数が変更する可能性はあるが、それで何も困らない。困

るのは減る選挙区の候補者だけで、それは彼らの問題である。

 これを実施すれば、衆院の定数は現在の半数以下にすること

ができる。そもそも国会議員が多すぎる。憲法も改正して参院

も廃止してしまえば、国会議員にかかる膨大な経費を大幅に削

ることができる。さらには投票率が50%を切った選挙区につ

いては、選挙を無効とし、当選者なしとすればいい。ついでに

政党助成金も廃止しよう。

 これとは別に、世襲問題も考えなければならない。だれそれ

の子供、孫、妻などというのは、国会議員の資格に何の関係も

ない。にもかかわらず、現職の閣僚もふくめ、議員は世襲だら

けで、まさに家業と化している。だが、国会議員の家族だから

といって、国会議員になれないのは、人権問題でもある。そこ

で、当該国会議員がその職を辞してから一定期間、配偶者と3

親等以内の親族は同一選挙に同一選挙区から立候補できないよ

うにすればいいのである。その間、第三者が当選するわけだが

、一定期間をへてその第三者を押しのけて当選してこそ世襲の

非難を免れることになろう。

 インターネットがこれだけ普及した現代、選挙カーによる連

呼や選挙掲示板による候補者紹介はやめた方がいい。費用がか

かるばかりだ。われわれが知りたいのは、連呼される名前や大

首絵のような顔写真ではない。政策と実行力である。国会はも

う少し、選挙について真面目に取り組んでもらいたい。(おお

の としあき)

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